私が国家公務員から個人事業主に転職した時、開業したばかりで収入がほとんどなく、私の収入を大きく上回る保育料の支払いをどうしたものかと途方にくれました。
ですが、減免申請をした結果、保育料を5割減額してもらうことに成功したのです!
その経験をもとに、どのように申請したのか、申請方法や流れについて説明します。
2023年3月、国家公務員を退職。実際に保育料の減免申請をした経験をもとにお話しします。
保育料減免について知ろう!
夫と妻のダブルインカムで働いている場合、子どもの保育料はかなり高額ですよね。
保育料は、前年などの過去の収入から決定していることが多く、退職や転職に伴って収入が減少しても、保育料は自然には減額されません。
このため、退職や転職の翌年の保育料の負担は収入に対してとっても高額!
ですが、ほとんどの自治体では、「保育料の減免制度」があるのです。
保育料減免とは何か?
保育料減免とは・・・災害、疾病、その他やむを得ない理由により、保育料の納入が困難となった場合に受けられる、保育料の減額・免除のこと
何らかの理由により、財産を失ったり収入が減少したりしたことによって、これまでどおりの保育料を支払うのは難しい場合に、保育料の減額が受けられる制度です。
減免制度については自治体によって異なると思いますので、お住いの自治体に十分ご確認いただきたいのですが、同じ境遇の方の参考となるように、ここでは私が住む自治体の場合で実体験をお話しします。
とにかく情報が少なくて、市役所に何度も問い合せてやっと手続きできた感じ・・・
減免制度の内容は自治体によって違いますが、私の体験談で問い合わせるポイントをつかんでもらえたらと思います
保育料減免の条件とは
市役所に問い合わせると、保育料減免の条件は、次の2点とのことでした。
- 減免してほしい理由
- 収入減の程度
「転職」でもいい?減免対象となる収入減の「理由」とは
私の自治体では、減免が認められる理由は次のとおりでした。
やった、「転職に伴う収入減」も対象だー
個人事業主として開業したばかりで収入がほぼゼロなので、レッツ申請!
減免対象となる「収入減の程度」とは
収入減の程度の基準は、自治体によって異なるのでしょうし、同じ自治体でも時期によって違う(例えば災害が起こった後など)のかもしれません。
そのためか、調べても「詳しくはお問い合わせください」としか記載がなく、詳細不明なので、市役所に電話で問い合わせて確認しました!
わかりやすさのために、例として計算すると次のとおりです。
<8月分の保育料を減額してもらうための計算例>
●直近4か月の収入(賞与を含む・額面)
夫の4・5・6・7月の給料の合計=1,800,000円
妻の4・5・6・7月の給料の合計=400,000円
(1,800,000円+400,000円)÷4月=550,000円(A)
●保育料を決定した時の収入(賞与を含む・額面)
前年の夫の年収=4,800,000円
前年の妻の年収=4,800,000円
(4,800,000円+4,800,000円)÷12月=800,000円(B)
■収入減の程度
(A)550,000÷(B)800,000円=0.6875
→(A)は(B)の70%以下(68.75%)なので減額対象となる
判断対象も比較対象も「賞与も含める」というところがミソです
賞与が含まれる期間は減額対象となりづらいということですね
どれぐらい減額してもらえる?保育料の「減額率」とは
私の自治体では、収入減の程度がそのまま減額率とイコールでした。
つまり、例えば保育料が100,000円の場合(高すぎますけどわかりやすさのため)。
先ほどの計算例のように68.75%まで収入が減っているなら、同じ率まで減額するので保育料は68,750円となるわけです。
自治体への問合せ必須!保育料減免の申請方法と手続き
必要な申請書類
市役所に問い合わせた結果、私のように「収入減」が理由の人は次の書類を提出するよう案内がありました。
保育料減免の申請書(市役所の指定様式)
まゆりんごの自治体の場合は、市役所のホームページに申請書が掲載されていたので、入手は簡単でした。
難しかったのは、「申請理由」の欄!
どの程度詳しく書いたらいいのか悩みました
最終的には、記入例にならってあっさり書くことにしました
実際に作成した申請書は次のとおりです。
「収入の額がわかる書類」って?個人事業主は自分で給与明細を作成!
電話で問い合わせているときのこと・・・
収入額がわかる書類というと、夫は給与明細ということですね
私は個人事業主で開業したばかりで収入がほとんどないのですが・・・
ご自分で給与明細を作ってください
えっ!自分で?!
さらに細かく質問した結果をまとめると次のとおりでした。
生まれてこの方、自分のはもちろん、他人の給与明細も作ったことがなかったのですが、インターネットで給与明細のひな型を検索して作成したのが次のような給与明細です。
自分の給与明細作ってみた
経費が上回って差引の収入がマイナスなのが悲しい・・・
減免申請の提出方法
提出方法は、郵送、窓口に持参のいずれかとのことでした。
なお、窓口に持参する場合は事前に連絡がほしいとのこと。
連絡して窓口に行くのはめんどうだー
郵送の一択だなっと
準備した次の書類を市役所の担当部署へ郵送で提出しました。
●申請書(自治体指定の様式)
●夫の給与明細4か月分
●まゆりんごの給与明細(自作)4か月分
いつから申請できる?保育料減免の申請期限
申請期限について市役所に尋ねたところ、「減額を受けたい月の月末までに」とのことでした。
(今は4月上旬)
4月分から減額してほしいので、今すぐ出します!!
それは無理ですね
おそらく減額になりません
えぇっ!!なぜ???
4月分の保育料について減額を受けようとすると、12~3月分の収入で判定することになります。
12~3月はまだ在職中なので、普通に給料が出ており、「収入減」となっていないため、減額の対象とはならないだろうとのことです。
収入が7割以下にならないといけませんから、4・5月分の保育料を減額するのは難しいかと・・・
6月分から申請されてはいかがですか
わ、わかりました・・・
私の退職によって、4月から世帯月収が半分になったのですが、直近4か月の平均月収で比較するために、すぐには収入が7割減という判定にはならないとのことでした。
大幅に収入減になっても、すぐに保育料を減額してもらえない可能性あり
保育料の減免申請をした結果
1回目の申請は減額が認められず・・・育休期間の落とし穴
6月初旬になり、申請書類一式を郵便で提出したところ、次の日に市役所から電話がかかってきてびっくりしました。
残念ながら減免できません
えぇっ!!
そ、それまたどうしてでしょうか??
私の試算では7割以下になっていると思ったのですが、理由をお尋ねすると次のとおりで7割以下になっていなかったのです。
<まゆりんごの自治体の計算方法>
◇保育料の決定時の年収とは
- 4~8月の保育料:前々年の年収から決定(今回の場合は令和3年)
- 9~翌年3月の保育料:前年の年収から決定(今回の場合は令和4年)
◇まゆりんごの年収
- 令和3年・・・1~3月が育休取得中で、年収がこれまでより少額
◇収入減の判定
- 令和5年6月分の保育料の減額の判定としては、令和3年の年収と比較して7割以下の収入減となっている必要がある
- 令和3年の年収という比較対象が少額なので、退職後に収入がほぼゼロになっても結果的に7割以下にならなかった
2回目の申請も減額が認められず・・・賞与の落とし穴
7月分の保育料を減額してもらうべく、3~6月分の収入の明細を添えて、7月初旬に申請を出しました。
残念ながら減免できません
がーん・・・(でも心当たりあり)
夫の職場は6月に賞与が出るのです。
「直近の4か月の収入」には賞与も含まれますので、私の直近4か月の収入がすごく少額でも、平均世帯月収としては7割減にはならなかったのでした。
実際には世帯収入5割減なんだけどな・・・
比較対象が育休期間を含むから、なかなか比較対象の7割を下回らない!
3回目の申請でやっと減額が認められた!
比較対象が育休を含む期間である間は諦めて、比較対象が令和4年(まゆりんごの年収が満額の期間)となる9月分の保育料で再び申請することにしました。
5~8月分の収入の明細を添えて、9月初旬に申請を出したところ、翌々日に電話がかかってきました。(毎回反応がとっても早い!)
保育料の減額が認められました
やったーーー!!
ありがとうございます!!
申請結果の通知方法
まゆりんごの自治体の場合、まず電話で連絡があって、後日、書面の結果通知が郵便で届きました。
申請が認められたときも却下されたときも、電話&書面です。
保育料が減額される期間
保育料減額の有効期間は4か月間でした。
9・10・11・12月分の保育料について減額が認められました
4回目の申請で保育料の5割減額に成功!
7~10月分の収入の明細を添えて、11月初旬に再度申請(4回目)。
3回目で認められた分の有効期間内でしたが、夫の賞与が含まれない期間で重ねて申請することにしたわけです。
4回目の減額申請では、保育料の5割減額で認めてもらうことができました!
4回目の減額申請の結果通知は次のとおりです。
最終的に減額された保育料の額は?
4回にわたる申請の結果、次のとおり保育料を減額してもらうことができました。
9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | |
減額率 | 30% | 30% | 50% | 50% | 50% | 50% | 0% |
減額された金額 | 15,900円 | 15,900円 | 26,500円 | 26,500円 | 26,500円 | 26,500円 | 0円 |
合計137,800円も減額してもらえた!
開業したばかりでほぼ収入ゼロの期間なので、ありがたくてありがたくて
3月分も減免申請するかどうかは、今後の収入の推移で考えたいと思っています。
その次の4月からは、次男は3歳児クラスなので保育無償化の対象となる予定です(これも大変ありがたいことです)ので、私の場合、申請は最大でも3月分だけとなります。
おわりに:保育料の減免申請で退職・転職直後の資金難を乗り切ろう!
退職後の保育料の減免申請についての実体験を紹介しました。
特に個人事業主への転職だと、事業を軌道に乗せるまでは収入がほとんど見込めず、かと言って子どもを家でみると事業の活動時間が確保できないという、難しい期間がしばらく続きます。
色んな意味でとってもありがたい保育園という存在。
自分のためにも子どものためにも継続して通わせたいけれど、一方で保育料は決して安いとは言えない金額です。
自治体によって減免制度があるかどうかや、その条件に違いがあると思いますが、調べてみる価値は十分にあると思います!
私の実体験を読んでいただいて、調べたり問い合わせたりする時の参考になればうれしいです。